鬼平犯科帳 第1シリーズ第3話「蛇の目」

ウジ虫ってのはドブのような汚えところに沸くもんだ。どうでぇ、この世の中は。こんなきたねぇ世間にしたのは、お上じゃないのかい。

急ぎ働きをしようと押し入った盗賊はそう、うそぶいて捕らわれた。
後日、同心酒井が浮かぬ顔をしている。
「あの言葉が耳に残って仕方がありません。」
鬼平はそれに答える、「盗人にも三部の道理というもんだ。あの女を観てみろ。蛇の平十郎にすてられても、もう立派に生きている。」

その後で、名言として「俺のやり方は行き過ぎだと、上から避難されるだろう。どうお裁きを受けることになるかわからないけど、今の江戸じゃ。俺がしないで誰がやれる仕事だ」に注目が行きがち。

でも、わたしはその前の女を眺めながら軽い口調で言った言葉に真の返事があると感じる。ドブのような世間でも、弱い女は汚れてでも生きているんだ。


TVシリーズで観て、原作本を読むのが好きです。クラシック音楽の作曲家の生い立ちや楽器の歴史などをデータではなくストーリ建てで説明してあるのはよく読んでいて、歴女だろって言われることがあるけど世界史も日本史も疎い。戦国モノの話も太閤記が好きな様に、史実を読み解くのより時代小説となっているのを主に楽しんでいます。
鬼平犯科帳も劇画の方はパラパラとめくってみているくらい。御宿かわせみなどを時間の間で一話づつ読んでいます。
熊本の夜の風俗も正月気分が終わって、お相撲の初場所に合わせたトーナメントがスタートしました。