だって電子音は音に厚みが無くて、交響組曲と言った形でヒットしたアニメ音楽をオーケストラのスコアをシンセサイザーに置き換えた程度の手間だけをご苦労様と言いたいような、クリエイティブなお仕事ではないように感じられたから。当時サンプルでいくつか聴いた楽曲の出来が悪かっただけなのかもしれません。
それよりもジャズアレンジのものが新鮮でした。
当時YMOが大ブームで、亜流に感じられたし、シンセサイザーの音に厚みと人肌が不足しているからYMOにはドラムスやベースを人がプレイしていたんだと思います。
それにこの頃のわたしはドイツ系のシンセサイザー・サウンドに浸りっきり。タンジェリンドリームがお気に入りでした。楽器にはそれぞれ個性があり、弦楽器と管楽器の違いは音色だけでは無くて音の持続・増減の仕方が違うこと、弦楽器でもヴァイオリンとヴィオラ、チェロは単にカバーしている音の帯域が違うだけのものでは無いそれぞれの魅力があります。音楽と楽器の歴史は長くて数多くの楽器が生まれてきましたが、アルペジョーネのように一曲だけが歴史に残っている楽器だってある。発明されたけれども消えていった楽器、新しく生まれた楽器に追いやられていった楽器もある。
シンセサイザーは楽器として生まれ生き延びるには、タンジェリンドリームのようなアーティストが居たからだと思います。
映画“さよなら銀河鉄道999~アンドロメダ終着駅”は全編をシンセサイザーで音楽にするという構想でスタート、作曲の依頼が東海林修さんにあったわけですが、このCDの中でも白眉の“光と影のオブジェ”が映像を演出することに成功しています。ただBGMとして聴くには心地の良いCDです。しばし懐かしさも感じさせてくれます。夏の終わりにいかがでしょうか。 http://amzn.to/qeaJi8
大切にする人は
時代の輝く星に
なることができる。
(作者不明)