夏の高校野球。4日目第4試合。延長線まで頑張った熊本工業高校でしたが、三重の高校に勝つことは出来ませんでした。
 2点先攻した出足はけっこう気持ちも高まったんですけどね。「いつも初回は点数を採れるんだけどね」という言葉がまた耳にする機会が増えてしまいそうです。

 それだけがいやですね。応援していても、あまりにも調子がいいといやみの言葉を口にする人がいる。評判に便乗して、負担を掛けてしまうこともある。そのあたりが熊本人のちょっと欠点です。
 今に始まったことではなくて、肥後藩時代にその原因はあるのだと考えています。藩としての成り立ち、熊本の土地の構造も関係在りそうです。

 試合結果は5対4。頑張りましたよね。少し早いだろうけれども、ナインの目を濡らした8月の雨は上がったかしら。


 わたしが在校していた高校とは、甲子園出場を競っていました。野球部の主将に可愛がられていたので、わたしは学校帰りによく彼の部屋に遊びに行きました。高校野球の地区予選にも、応援に通いました。1回戦、2回戦、3回戦、ベストエイト、ベストフォー、、、と、お互いの生徒同士の緊張感は高まるほどそれぞれの全校生徒が臨戦状態。わたしも二年と、三年の時には怖い思いもしましたけれども、高校での夏の記憶としては近くの江津湖での花火の夜の経験と合わせて忘れられない夏の夢です。

 16歳と17歳のわたしの甲子園。
 わたしの身体中を濡らした、8月の雨でした。


グラウンドにて



8月の雨


Summer Rain

夜空を揺さぶる 夏の稲光
怯える君を 青く照らす Summer rain
無意味な傘に隠れ 立ちすくむ二人
ごった返す人ごみ 掻き分け走り出す

プラスチックの取っ手に ぎゅっと手と手を重ねてた
雲が轟く度に こわばる指

今 君と雨に打たれ あの夏を洗い流す
僕の中 積もる 砂のような想い出
今 君は雨に打たれ 誰の事 想い出しているの?
二人の傘に流れる Summer rain

恋をする度に 全てを脱ぎ去り
新しい自分に 着替えてたつもり
そんな器用なもんじゃない 心 気まぐれ
たった三秒前も 怪しげな言葉で君を

怒らせては慰めてた 
「違うよ‥!」って 掻き回す
コーヒカップに 体 吸い込まれそう

七色の虹が架かった この街で君と出逢い
幾つの季節に 涙 染まるのだろう?
夕暮れの風に任せ 髪ほどく 慣れた仕草
また君に惹かれてる サダメ

満月さえ 沈みそうな水平線
灯りの無い夜を探し カーブ抜けたなら

今 一人 裸になって 過ぎた夏 海に流す
まだ君は服来たままで 星拾う 浜辺のフェアリー
今 君と 雨に打たれ あの夏を洗い流す
僕の中 消えた 砂のような想い出
8月の雨に打たれ 踊る 傘も放り投げて
濡れた体 寄せて 背中にキスをした 夏の夢
柔らかな Summer rain
覚めない 夏の夢